何かと人騒がせなグレープフルーツ
グレープフルーツは高血圧の薬と一緒に飲んではいけないということで有名ですよね。実際は、すべての高血圧薬ではなく、カルシウム拮抗薬の高血圧薬のみなんですよ。具体的にはアダラート、カルブロック、アテレック、コニール、ワソラン等です。最近はジェネリックも多いのでややこしいですが、薬剤師がカルシウム拮抗薬の高血圧薬が処方されているのに、これを言い忘れることはないかと思います。グレープフルーツの成分のフラノクマリンが代謝酵素の一種を阻害します。薬の分解を阻害し、結果的に強く効きすぎ、副作用が出てくる可能性があります。実はグレープフルーツだけでなく、スウィーティ、ダイダイ、ザボン等の同じような柑橘系もカルシウム拮抗薬の高血圧薬と一緒に飲んではいけないんですね。ミカンとレモンは大丈夫ですよ。
認知症予防に向くのか?
それでは、本題の認知症予防についてです。グレープフルーツが特にアルツハイマー病ににいい等というピンポイントな研究結果は見当たらないのですが、グレープフルーツの苦み成分であるナリンギンというポリフェノールが中性脂肪の分解作用や抗酸化作用があります。私の持っている認知症予防食生活支援指導員という資格のテキストでも「野菜と果物の認知症予防効果」という章でとりあげられています。
果物も食べ過ぎはよくない
100歳を超える人は果物好きが多いとベジフルビューティアドバイザーの資格をとったときに習いましたが、だからといって食べ過ぎては本末転倒になってしまうんですよ。果物にも果糖が含まれますので、糖の摂り過ぎになってしまうんです。たま~に、メタボ保健指導をしていると、みかん大好きおじさんに出くわします。「みかんは身体にいいんやろ?」って言ってね。ミカン箱を一日に10個は食べているというような人。たいていは、みかんたくさんもらっても食べきれないもの。例えば、中性脂肪が高いけど、ご飯は少ない、酒も飲まないという方がいました。たいていは、メタボ保健指導はお酒飲みすぎのおじさんが多いんですけどね。その方の場合は、みかんの食べ過ぎ、つまり果糖の摂りすぎで中性脂肪が上がっているんです。そういうことがありますので、グレープフルーツも果物も食べ過ぎには注意してください。厚生労働省の果物の推奨摂取量は1日200gなので、グレープフルーツなら1個300gくらい重さがありますので、1日1個も食べなくてもいいことになります。