家族性アルツハイマー病
認知症の症例の1つに、遺伝的に起こる家族性アルツハイマー病というのがあります。40歳ごろから起こるので、若年性アルツハイマー病になります。確率的にはアルツハイマー病の5パーセント未満と言われているので、一般的にはそれほど心配する必要はないかと思います。
祖母が認知症だけど私は大丈夫?
認知症のリスク要因もいろいろあります。家族が認知症になった理由は残念ながら、簡単にはわかりません。リスク要因の一つとして、糖尿病や高血圧があります。例えば、お婆ちゃんが糖尿病もあって認知症になったとします。母も糖尿病。自分も妊娠中に尿検査で糖が出ていたとしましょう。糖尿病になると、アルツハイマー病になるリスクも血管性認知症になるリスクも2倍になりますので、お婆さんは糖尿病のせいで認知症に移行しやすくなったと推測できます。このように糖尿病になりやすい家系な場合は、認知症予防にも力をいれたほうがいいということになります。もちろん、高血圧の場合も同じです。
家系よりも生活習慣
家族性アルツハイマーの家系の場合は別として、多くの場合はやはり、環境要因、生活習慣が認知症予防のためには重要になってきます。一般的なアルツハイマー病の危険因子は①喫煙②運動不足③低い教育水準④中年期の高血圧⑤糖尿病⑥中年期の肥満⑦うつとなっています。一方、血管性認知症の危険因子としては①糖尿病②高血圧③喫煙④脂質異常症⑤肥満⑥高尿酸血症⑦運動不足⑧加齢⓽男性⑩A型性格(血液型とは無関係)⑪ストレスがわかっています。いづれの認知症に含まれている危険因子となる疾病は糖尿病、高血圧、肥満ですね。それ以外の生活習慣としては、喫煙と運動不足ですね。このように、結局のところ、認知症予防は生活習慣病予防が重要になってきます。食、運動、喫煙しないことがやはり重要なんですね。だから、体質よりも後天的なところでの努力が大切かなと思います。