風が強くて気持ちいい
台風の昨日は、婆ちゃんはデイサービスに行かない日だったんです。
「今日は温泉休み」という貼り紙をしていたにもかかわらず・・・
外に行っちゃった!
まだ、台風が南部にいるときですが、母が見に行ったら、
外で婆ちゃんが、死んだじいちゃんが作った椅子に平然と腰かけていました。
「デイサービス休みって書いといたやろ~」と母。
「風が吹いて気持ちいいから外に出てたんや」と婆ちゃん。
見え透いた嘘!
風が気持ちいいって台風やで~!笑い話やってる場合ちゃうで~!
ほんとにアルツハイマー型認知症の人は取り繕いがうまいんですね。
重度にさしかかっていても、こんなにうまく取り繕えちゃう!
血管性認知症の人だと、もっと自分の非を認めて、悲観的になることが多いのですが、
アルツハイマーの人は、あっけらかんとして、取り繕い上手で意地っ張りな感じが多いですよね!
認知症の原因疾患でこうも傾向があるのはほんと不思議なことです!
14時頃は破壊音ばかり
わたしと、母と婆ちゃんの家と3つの家があるのですが、台風前はそれぞれ自分の家に!
パリーンとか音が外ですごくって、雨戸が波打っているので、
「これは外にでたら、ヤバイ‼」
破壊音と風の音がすごすぎて、
子供たちもちょっと怖がっている様子!
「こんなときこそ、ミニオンズの曲をかけよう♪」と夫。
Because I'm happy,clap along・・♪♪ 訳すと幸せなら手をたたこうかな?
「う~ん、台風で身を潜めて災害とか怖さとかを感じるのも重要じゃないかな?」と私!
教育とは災害時もまた難しい・・
あっそれより、こんな中、母が婆ちゃんを心配して見に行ったら、ヤバイ!
そう思って母に電話しました。
「今、婆ちゃん心配して出て行ったら、あかんで~」
「わかってるよ、今外行ったらもう、死ぬわ」と母。
「もう、今、婆ちゃんが外に出て行ってももう、自己責任やから」と私。
認知症も重度にさしかかっているので、デイサービス休みとか台風やから外に出たらあかんと行ってもまた外に出るおそれがある。
認知症の人が判断とか難しいのに、もう権利とか法とかそんなことよりも、
悪いけど、もう若い人優先だからという思いがありました!
わかんないけど、認知症の人なりの自己責任がその時はある気がしました!
「電話するわ」と私。
「電話出れるかな?」と母。
電話してみると、なぜか話中音でなかなか婆ちゃんが出ない・・
「もしもし」何度かかけると出てくれました!
「今、台風来てるから、外に出たら絶対あかんで」
「ほんま、すごい音で怖いわ~」と婆ちゃん!
音がすごいから、外に行ってはいけないことはわかっていた様子。
「チロ(猫)もおるの?」
「ここにおるよ」
普段、家出ばかりしている猫ですが、台風前にちゃんと帰っていたよう・・
猫でもそばにいてくれたら、嬉しいよね!
「台風落ち着いたら、また、誰か行くから」
言ったことは、すぐ忘れてしまうけれども、台風ナウでしたので、
破壊音や風の音はおそろしいばかりにずっと聞こえます。
耳がよく聞こえるのはありがたいこと!
忘れても大丈夫!台風ナウの音が婆ちゃんに台風だと秒刻みで教えてくれるんです。
そして、「衝撃的な出来事は認知症の人でも覚えていられる」というのもあります。
記憶をつかさどる海馬が委縮してしまっても、感情を起こす部位である扁桃体が生き残っていれば、感情を揺さぶられるような記憶は覚えていられるんですね。
台風で私が電話してきたことが衝撃的で、感情を揺さぶれば覚えていられるわけです。
いづれにせよ、台風ナウの破壊音と感情を揺さぶられたかもという両方のおかげか、
婆ちゃんは外には出ませんでした。
何はともあれ、皆無事でよかった!
色んなものが空を舞ったり、破壊されるとてつもない台風!
今まで生きてきた中で一番すごい台風でした!
婆ちゃんはもっともっと生きてますので、違うかもしれませんが・・・