パーソンセンタードケアのなぐさめのニーズ
認知症の人の心のニーズについて、シリーズでお届けします。
イギリスのトム・キットウッドさんは認知症の人が自分らしく生きることを支援することが重要で、そのためには、5つの心のニーズを満たすことが重要と言っています。
今日は、その一つ、Comfort (なぐさめ/くつろぎ)のニーズについてとりあげてみます。
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認知症の人の喪失感はなおいっそう
誰しも人間は、歳とるほどに失っていくものがあります。
若い元気な肉体だったり、健康だったり…
親や友達に先立たれたり…
失うものは、どうしても起こる…
老いとともに…
認知症の人は、それに加えて、記憶だったり、理解する能力だったり、一般の高齢者が失うもの以上に失うものがあります。
そして、認知症の人は失ったことも忘れるし、理解できないから、辛くないというわけでなく、認知症の人は自分が失っていって、自分がなんかおかしいということには気づいているので、常に実は落ち込んでいるんです。
認知症になっても、感情はしっかり残されていますのでね…
そこが酷でもあるのです。
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なぐさめる
なぐさめるとは、バラバラに崩れ去りそうな心を1つにしてあげること…
そう、キットウッドさんにいいます。
ただでさえ落ち込んでいるのに、忘れたことを攻めたり、覚えているかためしたりするのは、さらに追い打ちをかけることになります。
家族はどれくらい覚えているか、試してみたくなることもあるかと思いますが…
ガマン、ガマン‼️
試すことでは何も生まれません。
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くつろげる環境の提供
Comfort っていう英語は、日本人からすると、安楽、快適みたいな印象がありますよね。
こっちの意味のほうがピンときやすいですね。
認知症の人は、柔らかい素材のもので囲まれたり、
快適な環境を作ってあげたりすることが重要と言われます。
想像してみて下さい!
ひどく落ち込んでいるときに、四方八方コンクリートみたいな部屋に放り込まれたらどうでしょう?
余計、しくしくないちゃいますよね‼️
だから、ただでさえ落ち込みやすい認知症の人には、無条件にくつろげる環境で柔らかいものに包まれていたほうがいいんです。
これから、認知症の人を迎えたり、何かを買ってあげたり、家具をそろえたりするときは、そのあたりも意識してあげるといいかと思います。
ご参加まで…
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