
Photo by Pixabay on Pexels.com
認知症の人の塗り絵導入で大切なこと
塗り絵ってはっきり言ってどう塗ってもかまわない!りんごだから赤を塗らないといけないことはないんです。
認知症の人もそう、どう塗ってもいい!
たくさんのカラフルな色鉛筆を用意して、どうぞ~ってやりたくなりますね。
「好きな色を好きなところに塗ってください」
そう、どう塗ってもいいんですけど、これを言われると認知症の人は困ってしまう。
というのは、どこにどれを塗っていいのかわからないからです。
「別にどう塗ってもいいんだよ」
こう言いたくなります。
でも、こういうと、負担になっちゃうことがあるんですよね。
りんごがりんごだっていうのも、あやふやになってきているし、赤とかをぬったらいいかもあやふやになってきている。
だから、負担になるんですよね。
「りんごだから、赤にしますか、青りんごにしますか?」
こんな感じで選択肢を狭めてあげることが親切になることもあります。
「太陽だから、赤塗りますか、黄色塗りますか?」とか言ってあげるのもいいかと思います。
そう、ちょっと選択肢を簡単にしてあげるといいんですね。
一般の人でいうと、認知症の人が多種類の色鉛筆から色を選ぶのは、介護や施設について知識のない人に介護施設100ある中で、いいところを選んでくださいというのに似ているかもしれないですね。
途方もない選択という負担!
自己選択の自由って認知症の人に関しては結構難しいなと思います。
選択の自由と選択を狭めることのジレンマ
難しいんですよね~!認知症の人の自己選択の自由を守るということは……。
自分で判断がむずかしいんだから、こっちで決めてあげよう!
それもやさしいかもしれないが、自己選択の自由を奪っているかもしれない。
やっぱり、本人が選択しやすいように簡単にしてあげるのが重要なんだと思います。
一般の人でいうと、100ある施設の選択肢からよさそうなところを3つぐらい専門家にえらんでもらうような感じでしょうか。
そうしてもらったら、選びやすいでしょう。
そんなことが認知症の人にも必要なんじゃないかと思うんですよ。
選択肢を簡単にすることで、選択することができるんですね。
そこまで、自己選択が重要なんでしょうか?
日本は、どちらかというと本人の権利は軽視され、家族の意思が尊重されやすい国なんです。
家族は本人の嗜好をよくわかっているんだから、家族が選択したら、それでいいんじゃないか?
どちらかというと、これは日本人的な考えかもしれません。
諸外国では自分で自分の人生をコントロールすることが自分の人権の基本なんですよ。
その辺りは、日本人は意外と意識が薄い気がします。
自分の人生を自分でコントロールすること、これがとっても重要なんですね。
あら、塗り絵導入のコツをいうつもりが、人権の話になっちゃいました。
結局塗り絵の導入の仕方が、人権の守り方にもつながっているんですね。
そう、「りんごだから、赤をぬってください」といってはいけないんですね。
う~ん、難しい。
そんな、ちょっとしたことが、人権を守るのに重要なんじゃないか?
そんな風に思います!