過去との継続性の中で
認知症の人の心のニーズの最後は、『自分であること』
これもホントに大事ですね!
人は過去との継続性の中で、生きていて、
そりゃあ忘れたい過去が誰しもあるかもしれないけど、
過去の自分と今の自分がつながっているものです。
英語だとIdentity のニーズです!
直訳だと同一であること!同一性!
わかりにくいですよね。
IDカードのIdです!
日本人にはわかりにくい概念です。
受験で、顔写真と本人を確認するみたいな、そんな意味があるんですよ。
人は皆、過去との継続性の中で生きていて、ちょっと自分なりにバージョンアップしているかもしれないですが、一貫性のある自己を持っていて、私っていうのがある…
そんな感覚が自然と身に付いているものなのではないでしょうか?
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認知症になると自分であることが難しくなる
認知症の人はどうしても、過去の新しいことから、忘れていってしまいます。
自分の中の小さなバージョンアップみたいなことから、忘れていってしまうでしょう!
過去のことをどんどん忘れていってしまうから、過去から一貫性のある自分というのが難しくなるんです。
『私、どんな活動してたっけ?』
『私、どんな服?どんな色好きだっけ?』
『どんな友達いたんだっけ?』
自分であることが難しくなってきますよね。
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画一的ケアだとさらに自分を見失う
イギリスのトムキットウッドさんは、当時イギリスでもそうであった、
高齢者を集団でまとめて同じように扱うケアに批判したんです。
簡単にいうと、芋洗い式ケアです!
どこの施設でも、病院でも、昔から、人数が足りなかったり、意識が低いとそうなりがちです。
自分が歳とって、芋洗い式ケアをされるのは嫌ですよね!
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じゃあどういうのがいいのか?
簡単にいうと芋洗いの真逆です!
個人を大切にし、その人らしさを尊重するケアです。
過去から現在までのその人らしい、自分らしい生活を継続させてあげるケアです。
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認知症の人は自分らしさ忘れるのにどうしたらいいのか?
トムキットウッドさんの言葉にこういうのがあります。(読むたびに泣きそうになります)
『たとえ自分自身の物語で自分であることを保てなくなっても、まだ、他人によって保つことができるからである』
つまり、どういうのが自分らしいか、認知症になって忘れちゃっても、家族や友達がだいたい知ってるじゃないですか?
だから、認知症の人が自分らしさを忘れたとしても、周りの人によって保てると言っているんです!
そう、簡単にいうと助け合いの精神です!
認知症のことに限らず、自分の能力の足りない部分は他者が補ってくれたりするもの…
そんな風に気軽に考えてもいいのかもしれません。
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施設のスタッフはどうしたらいいのか?
施設のスタッフは可能な限り、本人のことをよく知ってからケアするのが重要とトムキットウッドさんも言っています!
施設スタッフが家族に本人の昔の様子を聞くのはとても大事なわけです。
そう、だから、看護職も介護職も本人のことを『情報収集』ってやってるんですよ‼️
その情報がちゃんと活かされるケアをしてもらいたいですね~(現場は大変でしょうが~)
好きな趣味が今できる形で、認知症になってもできたり…
好きだった音楽を忘れてしまっても、それがかけてもらえるようなケアが望ましいわけですよね!
昔の記憶もよみがえって、反芻できる…
そんな時間を共に作れるケアが大事なんだと思います!
ご参考まで~!
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