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認知症の人への接し方の模範は家族には無理
デイサービスのスタッフが優しそうに婆ちゃんに声をかけていると、自責の念にかられることがあります。
「なんで自分は婆ちゃんにこんな風に優しくできないんだろう?」
でも、よくよく考えてみると、認知症になる前もお互い言いたい放題だったのに、認知症になって急に優しくするのも不自然じゃないか?
実際、家族認知症の人への模範的な対応をするのは不自然なんですよ!
しかしながら、「認知症の人への接し方」というのは、介護スタッフバージョンと家族バージョンと分かれてはいないんですよね。
・同じことを何回言っても怒らない
・いつも優しく接する
・自尊心を傷つけない などなど……
家族からしたら、「わかってるよ~、耳がイタイよ~」という感じ。
介護スタッフは給料もらっているのに、認知症の人を怒鳴りつけていたら、「おいおいっ」ってなりますよね。プロでしょう?と。
でも、家族は家族ですからね~!
同じこと何回も言われて、うんざりするときとか、言うこと聞いてくれなくて腹が立つときにはちょっとぐらい怒ってもいいと思うんですよ。
仕事や実習と家族介護は別
看護学生も実習中に認知症の人に接して、良くなってもらおうと、作業やレクリエーションを考えたり、受け持ち患者にすごく尽くすんですよ。
そして、実習が終わったら、
「自分のお婆ちゃんも認知症なのに、何もしてあげれてない」って言って、反省するんです。
認知症の人は本当に増えているので、看護学生は高い確率でこのような体験をします!
反省する子は本当にエライ!
でも、自分のお婆ちゃんの人生を調べて、振り返って、どんな趣味や活動が好きだったとか書き留めて、毎日ベッドサイドに訪問して、喜んでもらえそうなことを実践して・・・
試行錯誤して、何度もやり直して・・また、ベッドサイドに行って・・
そんなことは、実際はマニア介護者じゃないとやらないですよね。
時々、顔を見に行ったりするだけで、十分いい孫なんですよ。
だから、学生は自分のお婆ちゃんも認知症だからって、受け持ち患者みたいに必死に尽くす必要はないわけなんです。
だから、介護スタッフみたいに、家族としてできなくて、普通。オッケーなんです。
認知症の人への接し方(介護スタッフバージョン)、認知症の人への接し方(家族バージョン)
認知症の人への接し方(介護スタッフバージョン)、認知症の人への接し方(家族バージョン)が別に要るんじゃないか?そう思うんです。
接し方マニュアル(模範?)を別々に書いているのは、まだ、見たことがないんですが、両方ないのが、実はものすご~く不自然なんじゃないか?
そう思うんです!